プロジェクトを知る 01 山一電機株式会社様 太陽光発電とNAS電池を導入、
BCP対策とコスト削減の両立へ

山一電機株式会社様(以下、山一電機)は、「人の尊重」、「企業価値の最適化」、「企業品質の向上」、「技術立社への挑戦」および「社会的役割の達成」という経営理念を掲げられ、お客様への満足の提供を目標に信頼できる優れた品質の製品づくりを行うメーカーです。2019年9月に千葉県を襲った大型の台風による予期せぬ停電は山一電機を初めて事業停止に追い込みました。その経験を活かし、非常時の電源確保策を主とするBCP対策を目的に行った、太陽光発電システムとNAS電池の導入について、計画から施工に関わられた取締役生産本部長の土屋様、生産本部長代理の村田様、総務人事グループプロフェッショナルの宮内様にお話を伺いました。

Project storyCase 01

佐倉事業所について

佐倉事業所は、どのような役割を担う事業所でしょうか?
当社は半導体用のICソケット、コネクターなどを主力製品としております。製品の組み立ては90%以上を海外で行っており、そちらに部品を供給するというかたちになっています。部品の調達も含めて、海外の市場に向けての生産管理、品質管理、生産技術、こういった機能がすべてここにあります。当社にとっては事業の中心となる機能を有する、グループ全体で生産系のベースとなる事業所です。

導入までの背景 / 課題

きっかけは台⾵でのご経験だと伺っています。その時の状況と、今回の導⼊をご検討された経緯を教えてください。
去年の9⽉の台⾵15号です。千葉ではかなりの地域が停電しました。停電は約三⽇間でした。⼀番⼤きな影響は、⽣産⾃体が⽌まったことです。そこでこういう時のために⾃社での発電を検討しなければいけないということになり、いろいろなことを確認して検討した次第です。
備えについて、過去にもご検討されていたのでしょうか?
地震に対する対処はしていたのですが、電気に対してはここ何十年、停電事故はなかったので考えていなかったというのが実際のところです。
今回の停電によってすぐにご検討を進められたのですね。
そうですね、3日間も停電したということもあり、翌週には経営層からBCP対策の指示を受けました。非常用発電機の検討から始まり、それが不経済で発電しないリスクも伴うとなったので、次にガスのレシプロ若しくはタービンでの発電を検討しました。ガスですと日常に発電し電力の使用が可能ですが、発生する熱の活用ができない当社の場合、買電と比較し非常に燃料コストが掛かる事が判り、向かないと判断しました。そこでNAS電池+太陽光発電という組合せで12月から検討に入りました。
NAS電池を選ばれたのは、課題を全部クリアできたということなのでしょうか?
⾮常の時だけ使うとなると、100%信頼できるというわけにはいかない。太陽光発電と電池をうまく活⽤しながら⽇常で使っていればその実⼒もわかります。ですから有事の際に⾮常にうまく使えるのではないか、とも考えたわけです。駐車場が非常に広くソーラーパネルを設置する場所が十分にあるというのも一つの理由です。
BCP対策だけでこれだけの⼤きな投資というのは、なかなかすぐには経営層の合意を得られないケースが多いと思うのですが、今回はどのように説得されたのですか?
今当社は「お客様が満足いただける製品・サービスを提供できる会社」を中期経営計画に掲げています。それを実現するための投資ということで、説得という感じではありませんでした。ただ今回の太陽光発電+NAS電池の組合せでBCPの対応が可能かについては、しっかりと検討するよう指示を受けました。そこで、有事の際の必要電力の把握、太陽光発電+NAS電池の運用方法の検討、そして発電量の予測などを基にシミュレーションを繰り返し、有事に十分対応可能である事を確信し、ご説明し承認を頂きました。発電量の予測に関してはOFEに大変ご協力いただきました。

システムの提案・設計・施工について

今回の導⼊についてOFEにご相談をされた理由や経緯を教えてください。

実は3社に太陽光と蓄電池のお⾒積もりをお願いしていました。ただNAS電池というのが当社でもビジネスで⾮常に深いつきあいのある⽇本ガイシさんが造っていらっしゃるということで、⽇本ガイシさんのNAS電池との組み合わせはできますか?ということを打診をしましたところ、OFEからはすぐに「できます」というお話をいただきましたので、その後はこのNAS電池と太陽光発電の組み合わせについてはOFEだけとの話にさせていただきました。

施⼯中、OFEにはどのようにお感じになりましたでしょうか?

施⼯管理の⽅が2名常駐していただき、⾮常にきめ細かくフォローしてくださっていました。施⼯中は⾮常に暑い⽇が続きましたので、施⼯にあたるみなさんのお体の⾯が⼼配でした。それでもスムーズに⾏っていただけたことは⾮常にありがたかったですね。OFEの努⼒の甲斐あって台⾵が来る前に無事に⼯事が終わって良かったです。あと地元の⼯事会社を使って施⼯を⾏っていただいたこともすごくありがたかったです。

今後の展望・取り組みについて

運⽤を含め省エネ対策や環境貢献など、今後どういったことをお考えになっていますか。

設備の⽼朽化というのが課題としてありまして、その中でも空調の更新は急務だと考えています。過去にもOFEには空調の更新をしていただいていますので、これからもいろいろとご協⼒をお願いしたいと思っていますし、それ以外にも省エネ対策につながるようなご提案をいただければ、と思っています。どれだけ環境に貢献していけるか、できるだけ自然エネルギーを使ってものを作れるか、ということはこれからの企業のいちばん必要なことではないかと思っています。はじめはBCP対策という観点からいろいろな対策を検討して導⼊を決めましたが、それだけではなくESG、SDGsにもつながるというところだと思っています。会社の⽅針としてもESGは社会に対してやっていかなければいけないと思っています。メーカーとしての物づくりをできる限り⾃然エネルギーを使って⾏うことは、⾮常に有意義なことだと思っています。

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